植物たちは肉を食べる必要はない
私のようなシロウトでも分かりやすくて、
そして楽しい本。
植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫 (中公新書)
- 作者: 田中修
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/07/24
- メディア: 新書
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タンパク質というのは、アミノ酸が連なって並んだものです。ですから、タンパク質をつ来るためには、アミノ酸が必要です。私たち人間は、アミノ酸を作り出すことができません。だから、タンパク質を食べて、それを消化してアミノ酸を取り出すのです。私たちは、そのアミン酸を並べ直して、自分に必要なタンパク質を作っているのです。
ところが植物たちは自分でアミノ酸を作ることができます。だから、植物たちは肉を食べる必要はないのです。言い換えると、植物たちは、肉を食べなくても、肉の成分であるアミノ酸を作り出すことができるのです。ただ、植物たちがアミノ酸を作るためには窒素という養分が特別に必要です。窒素は、アミノ酸を作るための原料として必要なのです。そのために、自然の中で自力で生きる植物たちは根によって、養分として窒素を地中から取り込みます。
「一両」に例えられるアリドオシは、秋に赤い実をつけるこれらの中で、最も少ない数の実しかつくれないことになります。そこで、数少なくしかできない実を動物に食べられないように、アリドオシは鋭いとげで守っているのかもしれません。
活性酸素は、多くの病気の原因となり、体の老化を促します。
◇◇
そんな有害な活性酸素の代表は、スーパーオキシドと過酸化水素です。◇◇
紫外線がからだに当たれば、こんな有害な活性酸素がからだに発生するのです。そのため、自然の中で、植物たちが紫外線に当たりながら生きていくためには、からだの中で発生する活性酸素を消去しなければなりません。そのためには、活性酸素の害を消すものが必要です。それが、抗酸化物質と呼ばれるものです。
◇◇
抗酸化物質の代表は、ビタミンCとビタミンEです。
冬に向かって、葉っぱが糖分を増やす意味は、砂糖を溶かしていない水と、砂糖を溶かした砂糖水とで、どちらが凝りにくいかを考えればわかります。
砂糖水のほうが凍りにくいのです。
そして、溶けている砂糖の濃度が高くなれば高くなるほど、ますます凍らなくなります。
反ユダヤ思想の原点
ユダヤ人は世界の各フィールドで異彩を放っています。
こと音楽に関しては、
ユダヤ人を抜きにしては語れないほどの存在感を示しています。
ライプツィヒ大学で哲学を学んだワーグナーは、音楽創作のみならず「ベートーヴェン---第九交響曲とドイツ音楽の精神」や「宗教と芸術」といった芸術論的な著作も発表した。その根本にあるのは強いドイツへの渇望、そして反ユダヤ主義である。
ワーグナーは「楽劇」では注意深くユダヤ人を登場させなかったものの(明らかにユダヤ人を揶揄する表現が散見されるが・・・)著書では露骨な攻撃を試みている。
「宗教と芸術」ではユダヤ人開放政策を非難し、アーリア人種の純粋さを保つことの重要さを説いた。前述の「音楽におけるユダヤ性」(初版ではペンネームを使用した)では、ジャコモ・マイアベーアやフェリックス・メンデルスゾーンといったユダヤ人作曲家は真の芸術を生み出すことができないと切り捨てている。ともに銀行家の父親を持ち、経済的に裕福だった環境が許せなかったようである。
中世ヨーロッパではユダヤ人を一定の居住地域(ゲットー)に隔離していたが、フランス革命(1789年)以降、ナポレオン・ボナパルトがユダヤ人及びゲットーを解放した。具体的には1791年、フランス国民議会がユダヤ人に対する自由平等に基づく市民権を与える決議を採択したのだ。19世紀に入ると各地でもユダヤ人解放が実行された(しかしヨーロッパ各国の代表が集って1814~1815年に開かれたウィーン会議では、再びユダヤ人の自由を制限する採択が成されている)。
ワーグナーが非難したというユダヤ人解放政策とはこのことで、かつては軽蔑の対象だったユダヤ人たちが経済的な分野で頭角を現し、ドイツ国内でキリスト教に改宗することもなく(自分たちのユダヤ教の教義を守ったままで)、みるみる力をつけ始またことに対するドイツ人の不満と苛立ちをワーグナーが象徴的に代弁しているのである。加えて、音楽家のワーグナーにとって我慢できなかったのはマイアベーアやメンデルスゾーンの作った音楽が大衆の人気を得ていたことだ。
ワーグナーは「音楽におけるユダヤ性」の冒頭で「新奇な説を唱えることではなく、無意識ながら民衆の内に浸透している心底からの反ユダヤ感情を明らかにすることである。」と記し、「ここでの狙いは今なお根強い国民的なユダヤ嫌いの原因を、もっぱら芸術、それも、とくに音楽との関連において究明することにある」と続けている。そしてついに、巻末でこう宣言する。「しかし考えてみるがいい、君たちにのしかかった呪いから救済される方法が一つだけある。さまよえるユダヤ人の救済、それは滅亡だ!」これに共鳴したのが、ワーグナーの死後、約半世紀のちにドイツ宰相の座に就いたアドルフ・ヒトラーである。
長尺の目
100年や1000年という長い目で地球を眺める。
ほとんどの悩みは、
大したことではなくなるような気がします。
・・マグマが冷え固まって海山を作ります。この海山が成長して山頂が海面近くまで達すると、頂部にはたくさんの海洋生物が群集して成育します。その生物とは、サンゴ、石灰藻、コケ虫などで、いずれも炭酸カルシウムの殻や骨格を持つものです。これらは長い時間をかけてサンゴ礁などの生物礁を形成し、石灰岩となって海山の周囲を覆うのです。
◇◇
日本にある石灰岩は、3億年ほど前に赤道付近の海で生物礁を形成し、はるばる日本列島までやってきたものです。今から2億年ほど前に海溝に達し、ここから付加体として大陸プレートに付加されました。山口県の秋吉台、福岡県の平尾台、広島県の帝釈台などには、厚さ1000メートルもの石灰岩からできている「カルスト台地」がありますが、みなこうしてできたものです。
月の誕生による大きな影響は、もう一つあります。地球が自転するとき「地軸」が傾いたのです。ジャイアントインパクトの際、それまで太陽を回る公転面に対して垂直方向であった地球の地軸には、23.4度の傾きが生じました。この結果、地球には四季の変化が訪れました。北半球で夏が暑く、冬が寒いのは、この地軸が適度に傾いているためです。
最澄と空海はどちらが偉大か
釈迦が登場する前にインドの全域を支配していたバラモン教は、一時は仏教に押され気味になっていたのですが、やがて挽回を始めます。これが今もインドの大部分を支配しているヒンドゥー教です。インドという国名もそこからとられたものです。
20世紀の初めから第二次世界大戦にかけて、「国柱会」(こくちゅうかい)という思想団体がありました。まさに日蓮の国の「国の柱」になるという理念を踏襲した団体だったのですが、やがてこの団体は右傾化していきます。帝国陸軍の石原莞爾中将が熱心な会員だったことから、この組織は軍隊の中にも浸透していきました。
満州国建国の思想的な支えにもなったとされています。自分たちの一人一人が「国の柱」になって頑張ろう、というのは、美しい理念のようにも感じられるのですが、結果としては日本軍の海外侵略に思想的な基礎を与えることになったのかもしれません。
時代のパラダイムに翻弄された悲劇
野口英世の話。
ちょっとショックです。
再読です。
前回はコチラ
科学はなぜ誤解されるのか: わかりにくさの理由を探る (平凡社新書)
- 作者: 垂水雄二
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2014/05/16
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日本では立志伝中の英雄として知られ、現行の千円札の肖像にもなっている野口英世は、一時はノーベル賞候補とまで言われたが、欧米における現在の評価はまったく失墜してしまっている。ポリオ、狂犬病、黄熱病の病原体発見など後年の研究のほとんどが否定され、ねつ造の疑いさえかけられている。野口の学問的手法に疑惑の余地はあるものの、むしろ時代のパラダイムに翻弄された悲劇とみるべきであろう。
スパルタ指揮者 マーラー
アメリカはクラシック音楽の伝統のない国だと思われていた。
筆者はそうではないと言います。
マーラーの練習は苛烈を極めた。ミスをするメンバーを容赦なく罵倒し、自分が納得するまでアンサンブルの練習をさせた。そして、それでも音楽的水準に不満な時は、楽団員そのものを交代させた。一説には、マーラーがニューヨーク・フィルに在任した2シーズン弱で半分近い奏者が交代させられたともいわれる。
ロッシーニ歌劇の原作
フィガロ三部作の第一作。
ロジーヌ:
母から遠く離れ
この羊飼いの乙女は
歌いつつ赴く、
待ち侘びる
恋人のもとに。
セビリャの理髪師 IL BARBIERE DI SIVIGLIA - DVD決定盤オペラ名作鑑賞シリーズ 6 (DVD2枚付きケース入り) ロッシーニ作曲 / パイジェッロ作曲
- 作者: 永竹由幸(ながたけよしゆき),井形ちづる(いがたちづる),井内美香(いのうちみか),増田恵子(ますだけいこ)
- 出版社/メーカー: 世界文化社
- 発売日: 2008/10/25
- メディア: 単行本
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