別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

昔からそうしてきたから

冷泉家は藤原俊成、定家の血を引く和歌の家。

違う世界の方ですが、

独特な伝統・文化継承の秘訣を教えてくれます。

 

冷泉家 八〇〇年の「守る力」 (集英社新書)

冷泉家 八〇〇年の「守る力」 (集英社新書)

 

 

有職故実とは、具体的に言えば祭事、儀式、仕事、法令といったことに関する古来の決まりごとです。〇〇の祭事のときにはこの服装。〇〇の儀式は何日の何時に始める。〇〇を行うときは左足から部屋に入る。〇〇の式典のあいさつは、この人から始める。些細なことのように思えても、すべて決まりごとは決まりこととして、徹底的に守ることが求められます。なぜそうするのかを問うのは意味がありません。昔からしているからそうする。間違えないように同じことをする。これが何よりも大事なことなのです。「昔からそうしてきたから」ということで何が悪い、という絶対的な肯定。あるいは昔からしてきたことを疑わない力、とでもいうのでしょうか。

 

 

冷泉家800年の文化は「そこそこで、相変わらず」「神さんのバチが当たらんように」を家訓のようにしてきたからこそ守られてきました。「そこそこで、相変わらず」こそ、多くの文化、財産、広く言えば多くの人々の幸せを「守る力」の源泉ではないか、と思っています。