おい、そう深刻ぶるな、お前だけが悩んでいるんじゃない
「おい、そう深刻ぶるな、お前だけが悩んでいるんじゃない」
もう一人の自分が話しかけてくる。その声に耳を傾けていると、死神の声はいつしか小さくなってゆく。自分の悩みが相対化されていく。客観視できた、と言ってもいいだろう。
▼マラソンを始める前
<2004年12月>
体重 84.9キロ
LDL(悪玉)169
<2006年2月>
体重 83.0キロ
LDL(悪玉)170
<2009年1月>
体重 83.2キロ
LDL(悪玉)215
腹囲 100.5センチ
▼マラソンを始めた後
<2011年8月>
体重 73.2キロ
LDL(悪玉)91
腹囲 88.0センチ
マラソン効果、劇的ですね。
「彼はグリコだ。地方の営業店でもう一回見る必要がある」とあっさり落そうとした。グリコとは、キャラメルの絵柄で両手を挙げてコールインするランナーだが、あの絵の通り脇が開いているから「脇が甘い」という隠語だ。
走り続けていると、色々な想念、雑念が浮かんでくる。仕事での悩み、小説の展開で行き詰まっている場面など、とどまることがない。ほんとうにうるさいほどだ。
しかし、走るということに集中し始めると、それが気にならなくなってくる。想念、雑念が浮かんでくるのを止めることはできないが、そのうち自分の吐く息の音、風の音、あるいは周囲の声援の中で、ただ足を動かしているだけの状態になってくる。
私は走りませんが、歩きます。この気分わかります。