7つの貧困ビジネス
「今どきの若者」
それは「平成生まれの若者」ということで、
中らずと雖も遠からずでしょうか。
2008年7月に出版された作家の雨宮処凛氏と哲学者の萱野稔人氏の対談集「生きづらさについて」(光文社新書)では、さらに彼らを狙う「貧困ビジネス」の実態が彰良かにされる。「貧困ビジネスというのは、(中略)『だれにも頼れなくなった存在の、その寄る辺なさに付け込んで、利潤を上げるビジネス』を指しています。具体的には、消費者金融、人材派遣会社、ギャンブル、ネットカフェ、フリーター向けドヤ・飯場、敷金・礼金・仲介料不要物件、保証人ビジネス」の七つです。
それでも昔は、いくら収入がダウンしても、名刺に書ける肩書が立派になるのはそれだけで自信、誇りにつながる、という考え方もあっただろう。しかし今は、たとえ「〇〇商事海外流通部部長」とか「✖✖店支店長」といった肩書があっても、それだけで「へーすごい」と言ってくれる人は減った。どんなに有名な企業や官庁の名刺を見せられても、今は誰もが「ここ果たして10年後もあるんだろうか」といった不信の目で見る。