別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

明治維新を生み出したのは孟子

今見ているNHK大河ドラマ「花燃ゆ」。

この本を読んで孟子に親しみがわいてきました。 

「孟子」は人を強くする (祥伝社新書129)

「孟子」は人を強くする (祥伝社新書129)

 

 

明治維新を生み出したのは孟子である。幕末に真っ先に反幕の声を上げたのは長州藩の中・下級武士だったが、彼らの多くは私塾「松下村塾」の出身者だった。松下村塾では吉田松陰が教鞭をとっており、松陰が「尊王愛国」「反徳川政権」の主張の拠り所にしたのが孟子である。

 

徳川時代に武士階級の教養書として最も広く読まれたのは論語だが、論語は安定した階層社会の確立を唱えており、体制側にとって子弟を教育するには絶好の教科書だった。そもそもそうした目的で前漢武帝の時代に学者の董仲舒論語を推奨したのが儒教の始まりだった。一方孟子が唱えたのは、権力側にとって危険な体制改革思想であり、日本では孟子を輸入しようとした船は難破するという伝説が作られるほど危険思想扱いされていた。しかし、そうであったればこそ、吉田松陰をはじめ幕藩体制に不満を募らせる若者たちが、こぞって孟子に心酔したのだ。孟子は本場の中国においても社会が行き詰まった時に必ずといってよいほど脚光を浴びる救国の書である。