別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

さよならだけが人生だ

平凡社:声に出してよむ漢詩の名作50

 

 

「勧酒」 于武陵(うぶりょう)

君に勧む金屈卮(きんくつし) 

満酌(まんしゃく)、辞するを須(もち)いず 

花発(ひら)けば風雨多し 

人生、別離足る 

 

井伏鱒二の口語訳

コノサカズキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
 ハナニアラシノタトエモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ 

 

 

「夜雨(やう)北に寄す」 李商隠

君(きみ) 帰期(きき)を問うも 未だ期有らず、

巴山(はざん)の夜雨(やう) 秋池(しゅうち)に漲(みなぎ)る。

何当(いつ)か共に西窓(せいそう)の燭(しょく)を翦(き)り、

却(かえ)って巴山(はざん)夜雨の時を話(かた)らん

 

 

「登岳陽楼(岳陽楼に登る)」 杜甫

昔聞く 洞庭の水 

今上る 岳陽楼 

呉楚 東南に坼(さ)け 

乾坤(けんこん) 日夜に浮かぶ 

親朋(しんほう) 一字無く 

老病 孤舟(こしゅう)有り 

戎馬(じゅうば) 関山の北 

軒(けん)に憑(よ)れば涕泗(ていし)流る

 

 

「元二(げんじ)の安西(あんせい)に使ひするを送る」王維

渭城(いじょう) の朝雨 軽塵を潤し 

客舎青々柳色新たなり 

君に勧む 更に尽くせ一杯の酒 

西のかた陽関を出づれば 故人無からん