別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

自分には大親友はいない

適塾緒方洪庵、咸臨丸の勝麟太郎(海舟)、中浜(ジョン)万次郎など

歴史に名を残す人たちが登場します。

 

現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

現代語訳 福翁自伝 (ちくま新書)

 

 

その頃は封建時代のことだから日本国中どこも同じく、藩の制度は古いものを守る一筋とするという有り様で、藩士それぞれの身分がちゃんと定まっていて、上士は上士、下士は下士と、箱に入れたようになっていて、その間に少しも融通が利かない。そこで上士族の家に生まれた者は、親も上士族であれば子も上士族、百年たっても身分は変わらない。したがって小士族の家に生まれた者は、自然と上流士族の者から常に軽蔑を受ける。人々それ其れの賢さ愚かさに関わらず、上士は下士を目下に見下すという風がひたすら行われて、私は少年の時からそれについていかにも不平でたまらない。