退職した後に自活できない人
タンザニアの住民の言葉が身に沁みます。
聞いたことはあっても、
どこにあるか知りませんでした。
「その日暮らし」の人類学 もう一つの資本主義経済 (光文社新書)
- 作者: 小川さやか
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2016/07/14
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (3件) を見る
「子ども時代に豊かな暮らしを両親から与えられ、学校に通え、大人になって良い仕事を得た人がある日とつぜん仕事をクビになると、身動きがとれなくなってしまう。だが、行商人は違う。商品をすべて盗まれても、翌日から歩き始める。そんな経験には慣れっこだからだ」(衣類の路上商人、男性、30歳)
「都会の生活に慣れきった人間が年を取って村に帰り、鍬を手にしろと言われても難しい。だが仕事を探し続けた人は、その村で何か足りないサービスを提供するすべを見つけられる。オフィサー達は帰郷しても、ただ座っているだけだ」(牛肉売り、男性、30代半ば)
「わたしは路上の掃除婦だろうと揚げパンの行商だろうと、私自身の利益のためだと思ってなんでもしてきた。そして小さな店を手に入れた。私は経験を生かして、満足するまで働くことができる。人に指図する仕事しかしなかった人には、退職した後に自活できない人が大勢いる」(衣料品店主、女性、39歳)