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別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

平面幾何は創造力を養うためにも最適な教材

著者はフィールズ賞受賞の数学者です。

数学を理解するとは、

数学的現象を「数覚」という感覚で「見る」ことである。

「数覚」は感覚なので頭の良し悪しとは関係がない、

とのことです。

 

 

怠け数学者の記 (岩波現代文庫)

怠け数学者の記 (岩波現代文庫)

 

 

大脳生理学の知見のこのような短絡的解釈が正しいかどうか疑問が無いわけではないが、正しいとすれば昔我々が中学校で学んだユークリッド平面幾何は数学の初等教育のための最適な教材であることになる。平面幾何では図形を見ながら論証を進める。図形を見るのは右半球の働き、論証は左半球の働きであるから、平面幾何は左右の両半球を互いに関連させて同時に訓練することになる。殊に証明のための補助線を引くには図形全体のパターンを眺めて総合的に判断することが必要である。ゆえにそれは右半球のための最も良い訓練である。アダマールが言うように発見が「無意識」すなわち右半球の働きであるとすれば、したがって平面幾何は創造力を養うためにも最適な教材であることになる。近年ユークリッド平面幾何は数学の初等教育からほとんど追放されてしまったが、それによって失われたものは普通に考えられているよりもはるかに大きいのではないかと思う(数学セミナー 1979年3月号)

 

 

 

しかし、初等教育の第一義は、何よりもまず大人の真似をすることを教えることにあると思う。◇◇例えばピアノ、あるいはヴァイオリンを練習するとき、基本的なのはスケールとアルペジオであるという。およそ世の中にスケールとアルペジオの練習ほど機械的で退屈なものはないが、しかしこれを怠っていては一人前のピアニスト、ヴァイオリニストになれないということである。

 

チェロの先生に聞きましたが、

スケールとアルペジオの話はその通り、とのことでした。

 

 

1949年

11月4日
今度湯川先生がノーベル賞を貰ったので、明日、朝永先生と一緒にお祝いに行くつもりです。

11月5日
今日は朝7時に起きて、朝永先生と一緒にニューヨークへ行き、まず湯川先生の家へ行きました。◇◇夜は、湯川先生のノーベル賞祝意を表する意味で、朝永先生と二人で祝杯を挙げました。先生は少々酔ってだいぶおしゃべりになり、ドイツへ行った当時の話をいろいろしてくれました。

 

 

幾何学的直観力の一つが補助線を発見する能力ですが、この能力を猛勉強によって獲得したという体験談があるんです。◇◇評論家の扇谷正造氏が書いておられましたが、それによると、氏は中学生のころ幾何ができなかった。これじゃ(旧制)高校の入試に落ちると思って、4年の夏休みに幾何100問を自分の頭で解いてみよう、という一大決心をした。まず解答の部分は全部破って捨てた。1問から20問ぐらいまではスラスラと解けたが、30問あたりからつかえ始めて、1日1問がやっとという日が何日かあった。近所に火事があったがそれに気が付かなかった。60問あたりが峠で、それを超えたら後は、割合スラスラ解けるようになった。図形を眺めた瞬間なんとなく補助線を引くことができるようになった、というんです。近所の火事に気付かなかったというのはものすごい集中力ですね。