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別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

「書類送検」とはどういうことか

やさしく伝えることは難しい。

意識していなければできません。

ひと手間かける意識の違いで、

伝わり方が大きく変わります。

 

相手に「伝わる」話し方 (講談社現代新書)

相手に「伝わる」話し方 (講談社現代新書)

 

 

一つの文章は、ひとつの要素だけを伝える。これを原則にしました。すると、読んでいて、独特のリズムが発生し、聞き手の頭に入りやすくなることを発見したのです。
例えば、「警視庁は、〇〇容疑者の容疑を裏付けるため、容疑者の事務所を家宅捜索することにしており、間もなく捜査員を現地に派遣します」という文章を、
警視庁は、〇〇容疑者の容疑を裏付けるため、容疑者の事務所を家宅捜索することにしています。間もなく捜査員を現地に送ります」というように分けるのです。

 

完成した文章でなく、メモを持つことで、自然なしゃべりに近づけることができるのです。これは、何も記者リポートに限りません。「大事な挨拶だから」と、前の晩から必死になって挨拶文を練り、式場で読み上げる、という人がいます。結婚式の式辞でよく見かける光景です。ところが、大勢の人を前に上がってしまって、文章の途中で間違えると後が続かなくなってしまい、しどろもどろの挨拶になってしまうことがあります。完成原稿に頼ったためです。
こんな時は、「これだけは話しておきたい」という内容をメモにして、話の順序に従って並べておけばいいのです。メモには必要な項目が並んでいますが、文章にはなっていないので、しゃべるときに、自分の言葉で文章にしていきます。その結果、自然なしゃべりになるのです。

 

そういえば、新人時代、記者の原稿をチェックする立場のデスクが、「書類送検なんて難しい言葉を使うな。書類を検察庁に送りました、と書け」と指導していたことを思い出しました。「書類送検」とは警察が容疑者を逮捕しないで取り調べ、調べた書類を検察庁に送ることです。検察庁に送るから「送検」です。容疑者を逮捕して検察庁に送る場合は「身柄送検」と言います。ニュースの場合「〇〇容疑者を検察庁に送りました」という表現になります。◇◇でも、これだけでは十分な説明にはなりません。「書類送検して、その後どうなるの?」という疑問がわくからです。◇◇この場合、「〇〇容疑者について調べた書類を検察庁に送りました。検察庁は、この書類をもとに更に調べ、〇〇容疑者を裁判に賭けるかどうか決めることにしています。」と言うことまで書いて初めてわかりやすい原稿になります。ここまで書いて初めて、容疑者取り調べの一連の過程の中での「書類送検」の位置づけがはっきりするからです。