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別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

日本の中国人社会の裏の裏

「日本で犯罪に巻き込まれた外国人は、

司法通訳を通じて警察と交渉し、取り調べに応じる。

中国人の司法通訳はわずかで、彼らは職業柄、

日本の中国人社会の裏の裏まで熟知している。

◇◇

3Kと言われる製造業の現場は外国人の研修・実習生に頼っているが、

その八割は中国人だ。」

 

前回はコチラ

⇒ 底の敗れた船 - 別荘は買わない

 

 

日本の中国人社会―司法通訳だけが知っている (祥伝社新書)

日本の中国人社会―司法通訳だけが知っている (祥伝社新書)

 

 

「包囲した敵には逃げ道を残し、戦意を失った敵を深追いするべからず」これは父親から教わった孫子の言葉だ。日本では「正しいことは声を小さくして言え」という諺があるのを知った。正しいからと声高に相手を責めるのは武士道に反するらしい。それと同じことだ。相手の痛みと傷ついた心を知って、その処理に当たるという風に俺は受け取っている。

 

この農園では、大根などを栽培し、おでん用に加工し、全国のスーパーやコンビニに袋詰めおでんとして販売している。特に秋から冬への出荷の準備のために、夏の終わりごろから忙しくなる。農園内の加工工場は、消毒の時間を除いてノンストップで稼働している。
「仕事は、朝5時出勤、夜の12時まで。早い時で夜10時」
俺が農園を訪ねたとき、研修生たちは開口一番こう言った。この農園のライバルは、安い「メード・イン・チャイナ」の輸入加工品だ。「メード・イン・チャイナ」に押されまいと、忙しい時期には1日17時間から19時間の労働が続く。研修生には残業は禁止されている。なのに、月に200時間を超える残業は、明らかに労基法違反である。法に準じることよりも生き残ることが工場ではすべてなのだ。

 

 

日本の農家だけでなく、人手不足の中小企業の生産工場は働き手、さらに後継者を研修生に委ねざるを得ない現実もある。どんな研修生を選ぶか、どのような実習生に育て上げるのか、発展途上の青壮年の育成だけでなく、日本の将来像を描くことにもなる。
「まれびと」という言葉を私は思い出した。「まれびと」とは、本来はよそ者という意味である。ほかの土地で労働という富をもたらすひとたちのことだ。住みよい国を求めて、東へ東へと移動してきた「まれびと」は、その土地の人たちの生活をよくする力の泉だったという。日本を目指す中国の研修生たちは、現代の「まれびと」のような気がする。