別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

23%が「ダークマター」、73%が「ダークエネルギー」でできている

再読です。

素人には分かりやすくて楽しい。

前回はこちら

宇宙は膨張している - 別荘は買わない

 

 

光も音と同じようにドップラー効果が起きる。光を出す光源が遠ざかるときは、光の波長が伸びるので、光が赤っぽくなってしまう。要するに、銀河から届く光が伸びているということは、銀河が地球から離れているということだ。「銀河が地球から離れているってどういうこと?」そう思うよな。ハッブルが出した結論は「宇宙は膨張している」というものだった。観測地点、つまり地球から見て周りにある銀河がどんどん離れている。

 

実は、星や銀河といった物質は宇宙のほんのちょっとでしかなかったんだよ。数字にするとだいたい4%。◇◇この地球上で残りの成分が何でできているのか知っている人は、実は誰もいない。しいて言うなら23%が「ダークマター」、73%が「ダークエネルギー」でできているということくらいかな、わかってきたのは。

 

重さを持った物質には、周りのものを引き寄せる重力がある。だが、重力の役割は単にモノを引き寄せるだけではなかった。アインシュタイン相対性理論によると、重力は空間をゆがめる力があるという。そして空間が歪んでしまうと、光はまっすぐ飛んでいるつもりでも、はたから見ると曲がっているように見える。これが重力レンズ効果だ。この重力レンズ効果は相対性理論によって導かれるものなので、これが実際に観測されることで、相対性理論が正しいことを裏付けている。

 

水素やヘリウムが一か所に集まるためには、周りよりも重力が大きい場所が必要だ。でも、水素やヘリウムは、どこでも同じように生まれるので、それだけで重力に差がつくことはない。差がつかなければ、水素やヘリウムはどこにも集まらずに、ただ同じような密度で宇宙空間にうっすらと広がっていただろう。でもこの宇宙にダークマターがあったおかげで場所ごとに重力に微妙な差が生まれ、水素やヘリウムが集まるようになったと考えられている。

 

そして、銀河を調べていくと、なぜかわからないけれど反発力を生み出すものがあるらしいということになってきた。実はダークエネルギーと呼ばれるようになったのは1998年のこと。アメリカの物理学者マイケル・ターナー博士がダークマターになぞらえてこの名前を付けた。それまでは「宇宙項」と呼ばれることが多かったのだという。◇◇宇宙項はアインシュタインが変化のない静止した宇宙を作りだすために考えたものなので、ハッブルが宇宙膨張を発見したことによって葬られてしまった。しかも当のアインシュタインも宇宙項は誤りだったと認めている。でも、21世紀への変わり目で、宇宙を正確に記述するには宇宙項が必要だということになってきた。思い付きのように登場させた宇宙項が、本質をついていたなんて、アインシュタイン恐るべし。今では世界中の物理学者が宇宙の謎を解き明かそうと宇宙項について研究をしている。