別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

英語教育は、自発的植民地教育の危険性

頭をガーンと殴られたような気がします。

今までの英語に対する思い込みや

英語教育に対する勘違いが

ズバリ指摘されています。

 

英語の害毒 (新潮新書)

英語の害毒 (新潮新書)

 

 

英語の害毒 (新潮新書)

   

よく英語とグローバル化が関連付けて論じられる。しかし、本当は、今の英語教育の行く先にあるのはフィリピン化ではないだろうか?
このような角度から現在の英語教育を見直す視点を提示することが、私の狙いである。この本では、英語帝国主義論の視点から、日本人にとっての英語について考える。英語教育は、自発的植民地教育という危険性を伴うものだということを論じたい。

自発的植民地教育!

少し極端かもしれませんが、

思い当たることが多々あることに気が付きました。

 

年齢にもよるが、だいたい30%弱ないし50%弱の人が英語が必要だと感じている。仕事で英語をよく使うのは2~3%、過去1年間に英語を少しでも使った人でもたかだか25%程度しかいないのに、だ。つまり、仕事で英語を使う機会のないたくさんの人が、お呼びでないのに勝手に焦っているということだ。
◇◇
似たようなことは、学生と企業の認識のズレにもみられる。
先に見た経済産業省の調査項目をもう一つ見てみよう。企業の人事採用担当者に「学生に足りないと思う能力要素は何か」を、学生に「自分に足りないと思う能力要素は何か」をたずねた項目がある。これによると、学生は自分に一番足りないのは「語学力」だと思っている。この答えが16.5%で一番多い。それに対して人事採用担当者は、学生に一番足りないのは「主体性」(20.4%)やコミュニケーション力(19.0%)だと考えている。「語学力」が足りないという回答は15の項目中、下から3番目の低さだ(0.4%)。つまり企業は学生に語学力をほとんど求めていないのに、学生は語学力が求められていると思い込んでいる。

この意識の温度差は、企業にとっても学生にとっても不幸なことです。 

 

しかしそれでも、と就職活動中の学生は言うだろう。企業に提出するエントリーシートには、TOEICの得点を記入する欄がある。それに面接では、お決まりのように英語はできるかと聞かれる。これが企業が英語力を重視しているからではないか、と。
それは、英語力が数値化しやすいからだ。
すでに見たように、人事採用担当者は実際には応募者のコミュニケーション能力や人柄を重視している。とはいっても、これらの要素は数値化しにくい。

 

そもそも言語能力には会話言語能力と学習言語能力である。
◇◇
会話言語能力と学習言語能力は、習得するまでに要する時間にも違いがある。10歳くらいまでにある言語が話されている環境に住み始めた子供が、その言語の会話言語能力を身につけるのには平均2~3年かかる。一方、その言語の学習言語能力を身につけるには平均5~7年ほどを要する。
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プロフィシェント・バイリンガルとは、日本語、英語ともに、平均的なモノリンガル並みの会話言語能力と学習言語能力を持つ人である。バイリンガルはみんなプロフィシェント・バイリンガルだと思っている人が多いが、実際にはプロフィシェント・バイリンガルは非常にめずらしい。
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実際に多いのはパーシャル・バイリンガルだ。一方の言語(優位言語)については平均的なモノリンガルと同等の学習言語能力を持っているが、もう一方の言語については会話言語能力のみで、学習言語能力はないか、または低い。英語を話している帰国子女を見ると、英語を日本語と同じように使いこなせるものと思い込んでしまう人は多いだろう。でも実際には英語は会話言語能力しかないことが多い。

 

言われてみればああそうかと思いますが、

会話言語能力と学習言語能力の違い、あまり意識していませんでした。