別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

尿の実態

再読です。

とてもわかりやすく説明してくれます。

 

前回はコチラ

緑色の濃い野菜は抗酸化物質が多い - 別荘は買わない

 

 

宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議 (講談社現代新書)

 

 

物質を水に溶かして運ぶという機能は、必要なものを目的地に届けるだけでなく、不要なものを除去するためにも用いられています。◇◇有機化合物が燃焼して生じる二酸化炭素は水に溶けるからこそ簡単に肺から捨てることができます。それ以外の老廃物についても、基本的には、やはり、まず血液に溶かされ、さらに腎臓でこし取られて尿として体外へ捨てられるわけです。つまり、尿が液体であるのは、体内で生じた廃棄物を水に溶かして捨てるためにあるのです。

 

炭水化物も脂肪も、バリエーションに富んだ様々な分子がありますが、基本的な構造は炭素原子が分子の骨格となり、そこに酸素と水素が結合したものです。ところが、タンパク質を構成するアミノ酸だけは、窒素原子を中心にしたアミノ基が構造の中核を担っています。

 

炭水化物、脂肪、タンパク質が人体の主なエネルギー源となる三大栄養素なのですが、そのうち、炭水化物と脂肪は、ほとんどが炭素と水素と酸素でできています。どちらも体内で燃焼させると、二酸化炭素と水になります。このうち、二酸化炭素は吐く息とともに体外へ簡単に捨てることができます。一方水は人体にとっても必要な成分なので基本的には体内に保持しておき、余った少量の水だけをやはり吐く息とともに水蒸気として捨てれば十分です。排尿をするにしても、それほど頻繁に行う必要はありません。
しかし、タンパク質だけはまったく事情が違うのです。アミノ酸が窒素原子を含むため、窒素原子の代謝物だけは、どうしても吐く息とともに捨てるということができません。窒素と燃焼させると一酸化窒素や二酸化窒素になりますが、どちらも深刻な大気汚染の原因となる物質です。とてもじゃないですが、こんな分子を肺から大量に出していたら肺胞も気管支もボロボロになってしまいます。そこで人体はいらなくなったアミノ酸の窒素原子を尿素という形に変え、尿に溶かして体外に捨てています。◇◇実際私たちの尿を分析すると平均して98%が水分、2%が尿素で、足し算するとこれだけでほとんど100%になります。つまり不要になったアミノ酸の窒素原子を貴重な水に混ぜて捨てているというのが私たちの尿の実態なのです。