リーダーは熱意を吹き込む
本書の「若者」は、
「1992年に小学校に入学した人たちよりも若い世代」。
2015年に30歳になる人たちよりも若い世代が対象です。
単純に計算すると、1985年以降に生まれた人です。
彼らが多感な10代の頃に聞かされ続けていたのは、リストラ、倒産、失業、デフレ、社会保障制度の先行き不安・・・といった「社会がいかに頼りにならないものか」を象徴するニュースばかりです。
「社会の恩恵を享受したことがない世代」と言ってもいいでしょう。
最近、大学生たちの間で、遊びや飲み会などの誘いをするとき、メールでもラインでもなくツイッターを使うケースが増えているのですが、これも心理的な負担を軽くするための選択です。
メールでもラインでも「今日、暇だったら遊ばない?」といったメッセージを個別に送った瞬間から、返信待ちの時間が始まります。待たされている側にとっては、この時間が重い。「既読」がついているのに、何で返信がないんだろう?と考えてしまったりする。待たせている側にとっても、この時間は重いものですよね。メッセージは明らかに自分に向けられているし、読んだことも相手に伝わっているので、返信しないわけにはいかない。断る場合はもちろん、応じる場合でも、「すぐに返信しなければ」というプレッシャーがある。
こうした心理的な「重さ」から解放してくれるツールがツイッターです。ツイッターでつながっている友達に向けて、「今日、暇な人いたら遊ばない?」とツイートすればそのメッセージは特定の誰かに向けたものではないし、誰が読んだかもわかりません。
ラインもツイッターもしないのでよくわかりませんが、
ツイッターであれば解決するのでしょうか?
ハリー・ゴードン・セルフリッジ(イギリスの高級百貨店チェーンの創業者)の「ボスとリーダー」論です。
・ボスは部下を追い立てる。
リーダーは人を導く。・ボスは権威に頼る。
リーダーは志と善意に頼る。・ボスは恐怖を吹き込む。
リーダーは熱意を吹き込む。・ボスは「私」と言う。
リーダーは「我々」という。・ボスは「時間通りに来い」という。
リーダーは時間前にやってくる。・ボスは失敗の責任を負わせる。
リーダーは黙って失敗を処理する。・ボスはやり方を胸に秘める。
リーダーはやり方を教える。・ボスは仕事を苦役に変える。
リーダーは仕事をゲームに変える。・ボスは「やれ」という。
リーダーは「やろう」という。
これは今どきの若者たちが求める「よき上司」像、よき「経営者」像の簡潔なまとめにもなっていると思います。