ぬるぬるの理由はアルカリ性が高いから
再読です。
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中伊豆の吉奈温泉は単純温泉 「飽きなくていい湯だね」と黒澤監督。 - 別荘は買わない
日本で1.2を争うPH11.3のアルカリ性の高い湯は、埼玉県の「都幾川温泉」。浴槽に足を入れると「えっ?掃除していないの?」と思うほどのぬるぬるさ。でもこちらの宿は至って清潔です。◇◇ぬるぬるの理由はアルカリ性が高いから。湯に浸かり、肌をこすり合わせると、まるでウナギをつかんだかのようにぬるんと湯がこぼれ落ちる。
酸性、アルカリ性の程度を表す言葉を「PH水素イオン指数」といいます。PHは0から14の範囲で表されます。水素イオン濃度を表すPH値が8.5以上の温泉はアルカリ性単純温泉。水素イオン濃度が高ければ、すなわちこの数字が小さければより酸性の温泉となります。
私たちが、温泉といえばすぐにイメージする「卵が腐った匂い」。まあ、あまり美しい表現ではないので、最近私は「ゆで卵をむいた時の匂い」と言うようにしていますが、これは硫黄泉と呼ばれる泉質の特徴です。この硫黄泉は硫化水素を含むのですが、これが曲者、もとい、不思議な性質を持っています。◇◇硫化水素を含む温泉は、太陽の光の加減や気候、温度、降雨量、積雪量などで、湯の色が変化するのです。そのことを信州にある五色温泉では「5色に色が変化する温泉」とうたっているほどです。それこそ温泉の神秘であり、硫化水素の成分を含む温泉の真実なのです。
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