別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

心を残す

著者はニュージーランドの方。

日本人よりも日本をよくご存じです。

 

日本人の知らない武士道 (文春新書 926)

日本人の知らない武士道 (文春新書 926)

 

 

試合に勝った喜びを選手が素直に表現する。それを見て観客も同じように喜び、興奮する。これぞスポーツ観戦の醍醐味である。しかし、こと武道に関しては事情が異なる。剣道の試合ならば、勝者はガッツポーズをした瞬間、あるいはVサインをした瞬間、もしくは飛び跳ねた瞬間、間違いなく一本を取り消され、負けを言い渡される。勝敗の喜びや悔しさといった感情を表に出すことは「残心がないふるまい」であり、武道精神に反すると判断されるからである。残心。聞きなれない言葉だと思うが、長年武道を続けてきた私は、この「残心」こそが武士道を武士道足らしめているもの、武士道の神髄、武士道の奥義だと考えている。残心は勝負が決してからの心の在り方を示す。武士道が武道の本質をなす理念ならば、残心は武道において最も根源的にして重要な教えといっていい。言葉を変えれば、残心があるかないかは、それが武道と言えるか言えないかの決定的な分岐点になる。

 

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山本常朝は、「武士道と云うは死ぬ事と見つけたり」という文言で何を伝えようとしたのか。「葉隠」は二つの選択肢があった場合、武士は死ぬ確率の高いほうを選んだほうがいい、としている。
◇◇
極限状況に直面した時どう対応するか。死ぬ確率が低い道を選ぶか、それとも高い道を選ぶか。死ぬ確率が低い道を取れば、生き残るかもしれないが、他人から「あいつは弱気になって逃げた」といわれて恥となる。恥になれば、名を取り戻すために切腹しなければいけない。比較的安全な方法をとっても最終的には死に至る。しかし、死ぬ確率が高い道を選べば、たとえ死んで犬死といわれようが、武士らしく死んだことによって名誉を得る。場合によっては生き残ることもある。あるいは問題が解決できるかもしれない。いずれにせよ好ましい結果になる。どちらも死ぬことになるのなら、恥となる死か,名誉ある死か。答えは歴然としている。武士にとっては恥となることをいかに避けるかが最重要の課題だった。それは名誉を得ることよりも優先されたのである。

 

そういえば、桂小五郎はよく逃げました。

徳川慶喜も逃げましたね。

 

葉隠入門 (新潮文庫)

葉隠入門 (新潮文庫)

 

 

私が苦しい時に必ず思い出す言葉は、

「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」です。 

腹がすわります。

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