人は誰でも嘘をつく
相手と対峙するのではなく、距離を置くことも重要です。私は検事と被疑者が話しているのを、上から俯瞰しているようなイメージを心がけていました。
質問の核心である「ホテルに行ったか?」という質問に答えないまま「私を疑っているのか?」という別の質問にすり替えています。さらに逆質問によって、質問する側・される側という主従を逆転させているのです。◇◇しかし、橋下市長は、大阪市議会に反問権を要求しています。逆質問の効力を知っているからでしょう。すでに記者会見では、記者に対して逆質問を繰り返し、最後まで質問に答えない姿が散見されます。
殺人事件の被疑者には「彼をなぜ殺したのか」と聞くより「彼が居なくなると、あなたの状況はどう変わるのか」と聞いている。前者の質問だとの「憎い」「邪魔だった」など本人の残忍さが際立ち、自分の口から言い難いものです。◇◇ストレートに核心を尋ねるのではなく、心理的負担の少なそうな質問を数多く尋ねてみる方が、事実関係を正確に把握することができます。