別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

税金を食い荒らし、掠めていく人々

読み進めると段々背筋が寒くなります。

えっほんと?と思うことが結構あります。

タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)

タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)

 

 

プライマリー・バランス(一般会計基礎的財政収支)のまやかし


プライマリー・バランスは、2014年現在、一般会計ベースで18兆円の赤字である。この赤字をいかに減らしてバランスを取るかが、日本財政の喫緊の課題と言われる。
◇◇
プライマリー・バランスとは、この(借金の出入りを見る部門以外の)経常部門の支出と収入のバランス(均衡)を指している。言い換えると当年度の借金は、当年度の経費にはつぎ込まないという方針である。要するに、政策上必要とする経費はあくまで税収で賄うということである。国の財政にとってプライマリーなもの(本質的なもの)は経常部門であり借金の出入りを見る部門の借金部門はとりあえず脇に置いておきましょう、というわけである。

 

特別会計という打ち出の小槌


特別会計の歳出総額は2013年度予算で386兆円。会計相互の重複計上額を除いた純計額は185兆円である。一般会計の規模は96兆円であるから、そのほぼ2倍にあたる規模に上る。大口のものを見ると、国債償還費等の84兆円、社会保障給付費の58兆円、地方交付税交付金等の20兆円、財政融資資金への繰り入れの12兆円がある。◇◇特別会計には一般会計ほど査定の目が行き届かないから、ゼロを平気で一つや二つも増やしてしまえる、打ち出の小槌のような面がある。それだけ特別会計の査定は甘いのである。

 

社会保険制度の潜在的負債


ここで注意すべきは、巧妙なすり替えが行われていることである。「基礎年金」なるものは従来の国民年金と同じものではない。これは死に体の国民年金の実態をごまかすための言説であって、従来の国民年金とは異なる代物である。そのような代物を「基礎年金=国民年金」などと称することは欺瞞以外の何物でもない。
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このような社会保障制度の全体を一般会計の係数だけを見て判断すると認識を誤ることになる。厚生労働省は、社会保障関係費の一般会計ベースの30兆円が今後1兆円ずつ増えていくと説明しているが、一般会計には計上されない100兆円を優に超える社会保障の支出までカウントすれば毎年3兆円~4兆円ずつ増えていく。1010兆円に上る政府長期債務残高とは別に1500兆円もの簿外債務(ただし前提の異なる過大推計である)が存在し、さらに増え続けていくとも言われる。