俳句は人から人への贈り物
俳句は「相手のある文学」。
句会とは自分の作った俳句が果たして自分以外の他人に分かるかどうか、それを試す場なのである。その具体的な作業が選句である。小説や詩には無い句会や選句がなぜ俳句にはあるのか。その答えはこれでわかるはずだ。句会にはいくつかの作業があるが、その中心は選句である。句会とは俳句会ではなく選句会なのだ。
では、俳句の評価を歪めるものとは何か。その最たるものが作者の名前なのだ。もし事前に作者がわかってしまうと、「たいした句ではないけれど、〇〇さんの句なら選ばなくては」とか「いい句か悪い句かわからないけれども、△△さんの句なら選んでおこう」◇◇そこで句会では句の作者が誰か、極力わからないようにする。その仕掛けがあのいくつもの手順である。
「いくつもの手順」
合理的なシステムです。