別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

可能性はゼロでないということ

 

統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる (光文社新書)

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SPEEDIという推測統計◇◇福島第一原子力発電所事故の直後、使えなかったことで有名になったSPEEDIも、推測統計としてのシミュレーションデ-タのひとつです。◇◇これは文科省天下り団体である原子力安全技術センターが管轄しているもので、累計で100億円以上かけて作り上げたシステムです。今回の原発事故のような緊急時、すなわち「いざというとき」のために、毎年5億円から10億円の税金をこれに投じてきたのです。

 

よくあることですが、何か問題が起こった時、マスコミが専門家に「絶対安心か」と尋ね、誠実な専門家が「絶対ではない」と答えると「やはり危険だ」と報じます。専門家にとって「絶対に安心ではない」=「可能性はゼロではない」というのは当然の言い方です。ゼロの可能性なんてまずありません。今この瞬間でも隕石が落ちて死ぬ可能性はゼロではないのです。ところが、可能性はゼロでないというと、多くの人は、すぐに可能性はイチ、すなわち100%確実だと思い込んでしまうのです。

 

マスコミに限らず多くの人は「安全か危険か」という、ゼロかイチかの発想しかできません。しかし現実のリスクはゼロからイチまでの間の無限の数値を取りえるのです。