別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

人間バッハ

人間ヨハン・ゼバスティアン・バッハ

伴侶ヨハン・マグダレーナ・バッハの目を通して叙述。

バッハの思い出 (講談社学術文庫)

バッハの思い出 (講談社学術文庫)

 

 

彼女は平素の大人しさに似合わず、わっと激しく泣き出しました。「私にはお父さんを残して出ていくことはできませんわ。お父さんと離れて暮らすなんて、とてもできません!お母さん、これだけはわかって下さいましね!」彼女の気持ちはよくわかりましたから、わたくしはそれ以上何も申しませんでした。ゼバスティアンはいつもながらの優しい態度で、父親の権力などは一切用いず、ただこう申しました。「あの子のいいようにしておきなさい。無理に結婚させようとすることは、決していいことじゃないと思うよ」

優しいお父さんバッハ。