別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

東京の不思議な地形

カラーの地図を見ているだけでも楽しい。

カラー版 地図と愉しむ東京歴史散歩 地形篇 (中公新書)
 

 

すみずみまで歩いて感じた点の一つは、高台と崖下との歴然とした差である。標高差はわずかなものであっても、隔たりは大きかった。格差を生んだ最大の要因は、「水はけ」の問題である。かつての東京は頻繁に水害に襲われた。河川の氾濫や低地への洪水をはじめ、都心部でも崖崩れが頻繁に発生した。
地震の問題もある。この点も低地は不利だった。関東大震災では高台の大半が震度五弱だったのに対して、低地の一部では震度七の揺れに襲われた。震源との距離は同じでも、震度に著しい違いをもたらしたのは地質である。

 

江戸時代の五街道のうち、江戸周辺に限ってみると、尾根筋の高台を通っていたのが、中山道甲州道中、低地を通っていたのが東海道と日光道中である。尾根筋か低地の道かが不思議なほど明瞭に分かれてい多のである。そして、東海道・日光道中と中山道甲州道中の差異を考えることは、実は重大な意味を含んでいる。それは江戸攻防戦を考慮したのではないかということである。