別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

今や国産材は引っ張りだこ

 

森林異変?日本の林業に未来はあるか (平凡社新書)

森林異変?日本の林業に未来はあるか (平凡社新書)

 

 

宅建築は、たいてい親方の大工と仲間や弟子、さらに親方が集める左官や建具、屋根、あるいは電気工事などの職能集団で行われた。中には何人かの大工を束ねる工務店もあるが、総じて規模は小さい。彼らをホームビルダーと呼ぶ。

◇◇

こうした建築業界に新たなポジションを築いたのが、ハウスメーカーだった。外材解禁時期に歩調を合わせるように登場した住宅産業である。

 

従来の大工は、建築現場で木材を切ったり刻んで家づくりを行う。長さを合わせたり、かんな掛けをしたり、ほぞ穴を開けたり仕口を刻むのである。しかし、これは時間がかかるうえに技術も要求される。大工の数が足りず、未熟練者が多いときに、この方法では工期を短縮できない。そこで取り入れられたのが、プレカットだった。あらかじめ設計図に合わせて工場で、機械によって刻んでおくのだ。それを建築現場で組み立てる。これなら早い。ただ、この方法には重大な問題があった。それは大量の木材を、同じ品質で揃えなければいけないのである。◇◇また、工場で一括加工するためには量の確保も必要だ。機械を休ませずに動かさないとコスト削減にならない。大量にプレカットすることで機械の能力も生かせるのだ。◇◇木材の乾燥も絶対条件となった。ゆっくり建てる従来の建築なら、建てる間に乾燥が進み、狂いが出たら現場で修正することが可能だったが、プレカットでは許されない。
◇◇
一方で外材は、世界中から要望に応えて集められ整然と送り込まれてくる。大径木で高品質、種類も量も、望むがまま。最初は乾燥させていなかったが、やがて乾燥材が輸入されるようになる。ハウスメーカーが望む条件と合致したのだ。

 


一般社団法人全国木造住宅機械プレカット協会 プレカットとは

 

割り箸は、小さな木工品である。割り箸になる木材の消費量や産出額などの数字も、小さな世界だろう。だが、林業にとって割り箸は重要な位置にある。私に言わせれば、割り箸こそ林業のシンボル、林業を象徴する商品なのだ。

 

どうやら、国産材時代が到来したようだ。少なくとも、とば口には立っている。戦後、外材に席巻されるようになった頃から、また、国産材時代が来ることを願ってきた林業関係者にとっては、待ちに待ったときを迎えたのだ。

問題は、国産材が盛んに伐採され、搬出されるようになったのに、

山村が潤わず、森林整備は進まないこと。