考えるとは感動すること
すごく面白い。
発想がとても面白い。
益川
まるでSF映画みたいだけれど、実際に、脊髄を損傷して歩けなくなったマウスにiPS細胞を使ったら、脊髄の神経細胞が再生して歩けるようになったというのだから驚きです。
益川「そう、科学の基本は国語ですよ。何にしてもすべて文章の言葉から入ってくる。読んでその世界が頭に思い浮かべられるかどうか。その力があれば、理解していける。そのあとは、吸収した知識を頭の中で思い描いて発展させていけるかどうか。
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山中「国語力はすべての基本だと私も思います。」
山中
日本人は直線型思考の民族で、よほどのことがない限り、いったん入った会社は辞めないし、奥さんを途中で替えたりもしない。それと違うことをすると、「人生の落伍者」のように思われ、自分でもそう思ってしまいます。
ところが、アメリカで暮らしてみると、回旋型の人生を送っている人がたくさんいます。たとえば、ベンチャー企業を興して失敗した場合、日本人だと「もうダメだ」とお先真っ暗みたいな気持になって立ち直れない人が多いですが、アメリカでは「ベンチャーを興して潰した」という経歴自体が、「すごい経験だ」と評価されます。