別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

どの出版社でも印税は一律?

 

小説家という職業 (集英社新書)

小説家という職業 (集英社新書)

 

 

ところで、出版社は自分たちが作った書籍という商品に対して、そのユーザの意見を集める努力を熱心にはしていない。出版社(特に営業)が「お客」だと認識しているのは、「書店」であって「読者」ではない。そこの意識がまるで間違っている。

 

締切に遅れる作家を許容しているのは不合理である。だから、僕は編集部にこうアドバイスをしたこともある。「締め切りに間に合ったら、1割多く原稿料を払う、遅れたら、原稿料を減額する、という契約にしたらどうですか?」と。そもそも、仕事を依頼するときに、期日や報酬を明らかにした契約がなされていない。原稿が遅れた場合、いかなるペナルティもない、とシステムなのだ。そんな紳士協定だけで仕事をしているのである。僕の提案は、今のところ採用されていない。「金で解決したくない」ということらしい。大半立派な綺麗事である。

 

そもそも、原稿料や印税率が事前に決まっている、というのもおかしな話ではないか。何かの協定・規定があって、それに従わなければならない、という話ではない。自由市場なのであるから、双方の話し合いで決めるべき条件である。超人気作家とそうでない人が同じ料金というのは不合理だ。また、どの出版社でも印税が一律というのも談合に近い状況といえる。

旧態依然とした業界。

作家を本業にしている人には言いにくいことかもしれません。