この国の組織や制度に巣食うタブーを白日の下に晒す

日本の聖域 この国を蝕むタブー

ネオニコチノイド系農薬---。ニコチンと類似の化学構造を持つ神経毒性物質で、作物全体に移行する強い「浸透性」と長く効果が持続する「残効性」に特徴を持つ。その使い勝手の良さから、従来の有機リン系農薬に比べて、少ない散布量で多大な効果を得られる「夢の農薬」として、日本でも十年ほど前から害虫駆除用の農薬として全国の稲作農家を中心に普及してきた。
しかし近年、ミツバチ大量死との因果関係などが叫ばれ、欧州連合（ＥＵ）を始め、昨今の国際的な規制強化の流れは「選択」でも報じてきたとおりだ。２０１２年にはミツバチ大量死とネオニコ系農薬との関連性を明らかにした三本の論文が科学誌「サイエンス」と「ネイチャー」に相次いで発表され、その包囲網は一層狭まっている。