2014-11-01 ダニエウ・アウベス、バナナを食す 本 視点も事例もすばらしい。 目が開かれる思いのする本です。 サッカーと人種差別 (文春新書) 作者: 陣野俊史 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る バナナを投げ入れて、プレーしている選手を侮辱する行為は、人種差別の常套手段だ。別の観方をすれば、バナナ自体が人種差別の象徴的記号と化している。ダニエウ・アウベスがそうした習慣に業を煮やしていたことは想像に難くないし、スキがあればいつか、皮をむいて食べてやろうと思ってもいたのだろう。レイシストに対する強烈な皮肉だ。 バナナが記号として、独り歩きしている。幻想の黒人に向かって、お前は猿なのだ、という人種差別を表象するアイテムとして、悲しいことにバナナは今も機能している。