別荘は買わない

つもりです・・・が先のことは誰にもわかりません。

セカンドハウス

今、別荘でなく「週末住宅」を持つ意味

http://allabout.co.jp/gm/gc/27289/

 「避暑地の別荘が欲しい!」という気持ちがもたげてくる夏。最近は「日常の延長線上のセカンドハウス需要が増えている」と話す建築家・鈴木宏幸氏に、週末住宅の最新動向のポイントをインタビューしました。

この記事の担当ガイド
河名 紀子

今回インタビューしたのは、軽井沢を中心に多くのセカンドハウスを手がける「アトリエ137」の建築家・鈴木宏幸氏。鈴木氏によると、かつての別荘が「セカンドハウス」「週末住宅」と呼ばれるにつれ、一部の富裕層だけに許された避暑の別荘が、もっと普通の家族が週末をゆったりと過ごすための家として、より普遍的になってきているといいます。そんな「セカンドハウスの今」をインタビューしました。

 

 

週末住宅は「もうひとつ部屋を外に持つという感覚」

ガイド 最近、セカンドハウスや週末住宅という言葉をよく聞くようになりましたが、いわゆる別荘とどう違うのでしょうか?

今回インタビューした、軽井沢にてセカンドハウスを多く手がける建築家・鈴木氏
「大きな違いはありませんが、別荘よりも、セカンドハウスや週末住宅のほうがより身近でプライベートな印象がありますね。別荘と言うと、セレブや富裕層が避暑やパーティをしたり、作家や音楽家、画家などが創作活動のためにこもる場所だったり、湯治をしたり……ごく一部の特別な人たちに許された特権といったイメージがありますが、セカンドハウスや週末住宅は、文字通り週末(休日)を過ごすための住宅であり、セレブや芸術家だけでなく、ごく一般のファミリー層にも広がったように思います」

ガイド すると、別荘とセカンドハウスは、過ごす期間が少し違うというイメージでしょうか?

「あくまで私の受ける印象ですが、セカンドハウスや週末住宅というと、家(別荘)というよりも、もうひとつの部屋を外に持つという感覚に近いと思います。自分だけのホテルのような、でもホテルよりもアットホームな部屋……みたいな。かつては別荘で長期滞在した富裕層や芸術家の方々の側にも、最近は『別荘を持つ』というより『セカンドハウスで過ごす』という感覚が強くなっているような気がします」

「昔・別荘、今・セカンドハウス」

ガイド 「昔・別荘。今・セカンドハウス(週末住宅)」といった感じでしょうか?

 

 

ガイド 確かに鈴木さんが多く手がける軽井沢は、長野新幹線開通で身近になりましたよね?

「はい、軽井沢はその典型例でしょうね。長野オリンピックを機に新幹線や上信越道も整備され、今や新幹線なら東京から1時間。うかうかお弁当も食べている時間もないほどです。道路も上信越道によって山道を延々走る必要もなくなりました。雪道を走ることもありませんし、タイヤだってチェーンを巻かなくてもスタッドレス快適に走行できるようになりましたしね」

ガイド 今回は場所選びや土地選びのポイントについて、お聞かせください。ズバリ、セカンドハウスを建てる場所を選ぶポイントとは?

「大きくは海派・山派みたいな分け方がありますね。手に入れたい自然が湖なのか、川なのか、これはもう好き好きということに尽きますが、次に考えたいのは、普段暮らしている場所との距離感ですね。これは意外と大事。道路のアクセスがよいとか、そういうことがないと、せっかく建てても行くのが億劫になってしまいます」

「多少遠くても、高速道路を使えればそんなに疲れませんし、逆に一般道を延々というと、つらいかもしれません。シーズン中はある程度混雑することが予想されますから、距離だけでなく、そこまでの到達時間や道路状況がどうなっているかが大切。まずは、気に入ったところであることが条件。近いからといって、自分が気に入らないところで妥協しては本末転倒です」

 

 

ガイド 土地選びで気をつけるべきポイントは?

「まず、その土地をよく知ることです。自然が豊かなところは、気候が厳しいもの。ワンシーズンだけを見て決めるのではなく、1年を通してその場所に何度も足を運んでみることから始めてはいかがでしょうか。周辺の建物の状況や街の様子を見たり、自然の移り変わりを体感していくと、自分たちの求める場所かどうか分かると思います。オンシーズンとオフシーズンではお店の開き具合も変わってきますからね」

「積雪のあるエリアなら、道路の雪かき状況とか(町や市で除雪あるいは別荘地だったら、その管理者が行うことが多い)、雪が積もっても現地まで車で入りやすいところなど、冬でないと現実が分からないでしょうし、風の強いエリアもしかり。本来は1年を通じて、24時間通じて見たいもの。せめて、夏と冬、午前と午後といった感じで」

 

 

ガイド 室内のデザインや色についてはどうですか?
秋の紅葉も絵になる小川近くのセカンドハウスは、お母様を考慮して平屋建てに
壁は白系を中心におすすめしています。これは豊かな自然を眺めるときに邪魔しないですし、そこに映る光や影も取り込んでいきたいですから。とにかく居心地のよい、気持ちのよい空間をつくること。これに尽きます。そのため、できるだけ木や珪藻土などの自然素材を使うよう心がけています」

 

「セカンドハウスこそ長く愛着をもってメンテナンスしてほしい」と語る鈴木氏

ガイド では最後に、鈴木さんが考える「究極のセカンドハウス」とは?

「建物は建てたら終わりでなく、始まりです。特に厳しい自然に建つセカンドハウスを、時を経てますます風景になじみ味わいのある建物にしていくには、メンテナンスや辛抱強い愛着が必要です。家族が日常以上に一つになれる場所として、自宅以上に見守り続けて欲しいですね」