評価は暴力
「怒り」がスーッと消える本―「対人関係療法」の精神科医が教える
- 作者: 水島広子
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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仕事の愚痴
彼氏「役に立つことをいって解決してあげなければ。」「ただ聴いてあげるなんて、何の役にも立たなくて申し訳ない。」
彼女「ただ聴いて大変だったねと言ってくれればいい。」「アドバイスはしないでほしい。」
ズレている。
他人を変えようとするのは不毛。
相手を変えようとしない。
今の相手が無理をしなくてもできること、にとどめる。
叱るのをやめるだけでも効果あり。
こんなに相手を思ってやったのに・・・は不毛ということですか。
全ての人はそれぞれの事情を抱えている。
持って生まれたもの。育った環境。現在の生活や仕事の問題など。
その帆との事情は基本的にその人しかわからない。
周りから見て努力が足りないと思うような場合でも、本人は自分の事情のなかで最大限の努力をしているもの。
「何か事情があるかもしれない」と考える思いやりですね。
評価をくだすことは相手への暴力。
「あなたって本当に仕事人間なのね。」
「君は案外だらしないんだね。」など。
評価は相手への攻撃。相手の怒りを誘発し反撃を食らうことになる。
相手に伝えるべきは「どうしてほしいか」であり「自分がどういう評価を下しているか」ではない。
「そもそもあなたは」「だいたいあなたは」「~しようともしない」など、「いつも」「全然」という言葉は人格批判になっている。
「この行動が困る。」と相談するイメージで伝えるとよい。相手を変えるのではなく行動を変えてもらう。
自分の事情だけ話す。
主語を「私」にする。
主語を「あなた」にしない。
デートをキャンセルされた。
「あなた」ってではなく、「(私は)楽しみにしていたから本当に残念。」と。
「君は案外だらしないんだね。」ではなく、
→「僕はちらかったデスクを見るとものがなくなるんじゃないかと思ってきがきじゃないんだよ。」
「あなたは」のコミュニケーションは相手の領域に立ち入ること。
「その男は許さん。」
→「私(父親)はこの結婚で自分の娘が不幸になったらと思うととても心配だ。」
「そんな仕事はだめだ。」
→「私はそんな仕事では娘が苦労するのではないかと心配だ。」
評価をくだされたときは評価には評価で返さない。
「ふうん、そう思うんだ。」と返す。
「考えてみるね。」も無難でよい。
相手の評価に対して何の評価も下さない。
ただ受け流すのが最も安全。
評価は相手も自分も傷つける。
評価は暴力。他人に評価を下している人は自分への評価をとても気にしている。
私たちにはそれぞれ「自分なりの正義」があります。
実は世の中には唯一絶対の正義があるわけではなく、ある立場の人から見れば正しいことが別の立場の人から見れば間違っている、ということもよくあります。自分なりの正義を主張し続けるとそれは必ず他人の正義とぶつかる。どちらが正しいかという評価の次元から脱する。相手には相手の事情があるのだから、どちらの正義が正しいかを決めない。
今に集中する。
思考を脇に置き、相手の問題を解決することをやめる。問題解決せずただ「相手の話を聴くことに集中」する。すると相手の話は結果として短く終わる。
人をバカにする人は「やり手」ではない。評価を下す生き方をするから周りの人をバカにしたりイライラしたりする。相手との間で「正しさの綱引き」に入らない。何か言いたい時は慎重に「私は」のコミュニケーションをするとよい。
評価をくだす生き方をしないこと、評価は暴力だから。